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美濃部憲法学を読む

帝国憲法から日本国憲法まで、「日本の憲法」について考えるブログです。

『憲法講話』(大正7年版) 序文

『憲法講話』原文

 憲法講話の縮刷に付いて

 

 久しく絶版となつて居た憲法講話が、今も需要者が絶えぬといふことで、書肆から切りにその再版を促がされ、因つて多少の改訂を加へて、縮刷して、再び之を公にすることとなつた。

 憲法講話はもと明治四十四年に文部省の委嘱に依り中等教員夏期講習会に於て為した講演の速記を基礎とし、之に多くの補正を加へたもので、今回之を縮刷するに付いては、尚其の以後に行はれた法令の改正を追補し、其の他前版の誤は成るべく之を訂正することに努めた。けれども僅に十回の講演を基としたものであるから、説明の不完全な箇処の少くないことは、充分に自認する所である。

 顧みれば、初めて本書を公にした当時には、一部の人々から、本書が恰も我が国体の基礎を揺かさんとする危険思想を含むものゝ如くに攻撃せられ、一時大に世の視聴を惹いた。今玆に之を再版に付するのは、本書に如何なる欠点が有るにもせよ、少くとも此の如き危険思想は寸毫だも之を包含せず、却て健全なる立憲思想に終始するものたることを確信するからである。

 

 大正七年九月  美濃部達吉

 

 

 ※美濃部達吉憲法講話』(大正7年)より

  古字及び旧字体は新字体に改め、改行を加えた外は原文のまま。

 

 ▶目次

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 ▶大正元年版との比較

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