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美濃部憲法学を読む

帝国憲法から日本国憲法まで、「日本の憲法」について考えるブログです。

『憲法講話』2(下)-1 天皇の国法上の地位 3.外国の君主との比較②

其の他の大権 以上の二点が最も著しい差異でありますが、其の以外にも尚種々の点に於て大権の範囲が広くせられてありまして、憲法第八条には緊急勅令の大権を認めて居り、憲法第九条には広い範囲に於て勅令を発する権を認めて居ります。 憲法第十二条には陸…

『憲法講話』2(下)-1 天皇の国法上の地位 2.外国の君主との比較①

外国の君主との比較 日本の憲法の下に於ける天皇の国法上の地位を、外国殊に西洋諸国の君主の地位と相比較して、其の異なる主なる点を挙げますと、大体に於て天皇の大権が西洋諸国の君主の大権よりも著しく広いと云ふ点に帰するのであります。 元来日本の政…

『憲法講話』2(下)-1 天皇の国法上の地位 1.天皇は国家の最高機関である

第二講(下)天皇(其の一) 一 天皇の国法上の地位 天皇は国家の最高機関なり 申す迄もなく、天皇は日本帝国の君主として、国家の総ての権力の最高の源泉たり、日本帝国の最高機関たる地位に在ますのであります。法律学上の問題として、天皇が国家の最高機…

『憲法講話』2(上) 帝国の政体 3.現代国家の特質②

(二)立憲制度 次に今日の国家の第二の特色としては、言ふ迄もなく立憲制度の施行を挙げねばならぬ。即ち維新前に於ける封建政治に反し、又維新後憲法施行に至るまでの官僚的君主独裁政治に反して、現在の日本の政体は立憲君主政体であります。 立憲政体と…

『憲法講話』2(上) 帝国の政体 2.現代国家の特質①

現代国家の特質 以上の如き変化を経て今日の状態となつたのでありますが、此の今日の日本の国家と維新前の日本の国家とを較べて見ますと、其の国家組織に極めて重大なる変化を生じて居ると云ふことは言ふ迄もないことであります。其の変化の殊に著しいものを…

『憲法講話』2(上) 帝国の政体 1.大日本帝国の政体

第二講(上)帝国の政体 昨日は国家及政体のことに付いて一般的の説明を致したのでありますが、今日はそれに続いて日本の政体に付いて大体の説明を致し、次いで憲法第一章の天皇の章に付いて説明を致さうと思ひます。 帝国政体の歴史的基礎 昨日も申した通り…

『憲法講話』1-2 政体の種類

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『憲法講話』1-1 国家の性質

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『憲法講話』1-2 政体の種類 政体と国体

政体と国体 最後に今一つ述べて置きたいと思ふのは国体といふ語であります。普通に能く国体といふことゝ政体といふことゝを区別して、国体は何人が統治権の主体で有るかに依るの区別で、政体は其の統治権を行ふ方法の異なるに依るの区別であるとして居りまし…

『憲法講話』1-2 政体の種類 6.法律上の権力と政治上の権力

法律上の政体と政治上の実力 政体の説明を終るに臨んで特に注意して置きたいのは、法律上の意義に於ての政体と政治上の実際の勢力の所在とは必ずしも常に相一致するものではないといふことであります。 法律上に於ける君主政体と民主政体との区別は、専ら法…

『憲法講話』1-2 政体の種類 5.共和政体の種類

共和政体の種類 君主政体に対するものは共和政体であります。共和政体とは簡単に言へば国家の最高の意思即ち国家の活動の最高の源が一人の意思に出でずして多数人の合議に出づるものを言ふのであります。 共和政体にも種々の種類があるが、其の重なるものに…

『憲法講話』1-2 政体の種類 4.立憲政体の沿革

立憲政体の沿革 此の如き意義に於ての立憲政体は、其の初は先づ英吉利に於て発達した制度であつて、其の広く世界各国に行はるゝに至つたのは、第十八世紀の後半期以後、第十九世紀中に在ります。前に述べたやうな貴族、僧侶及び市民等の特権ある階級の会議は…

『憲法講話』1-2 政体の種類 3.君主政体の種類

君主政体の二種類 君主政体の各種の体様は其の種類甚だ多く、色々の点から之を区別することが出来ますが、君主の法律上の地位から区別するのが最も大切で、此の点から区別すると、君主政体は之を二大種類に区別することが出来る、一は専制君主政体又は独裁君…

『憲法講話』1-2 政体の種類 2.君主政と共和政の特色

君主政の特色 君主政体の特色は自分の見る所に依ると、国家の最高の意思が或る一人の人の決定する所に係り、又は少くとも或る一人の同意を得なければ成立しないといふことに在ると思ふ。国家の最高の意思といふのは、国家の総ての活動の最高の源となるべき意…

『憲法講話』1-2 政体の種類 1.政体の意義

二 政体の種類 政体の意義 総ての国家には必ず一定の政体がある。政体といふのは、簡単に言へば、国家機関の組織といふことであります。国家には必ず種々の国家の機関が有ることは、前にも述べた通りで、此等の機関が有るに依つて、始めて国家が国家として活…

『憲法講話』1-1 国家の性質 7.「主権」の語の3つの意味

主権の三種の意義 統治権の事を述ぶる序に、主権といふ語に付て一言して置きます。主権といふ語は、従来色々の意味に用ゐられて居りまして、往々混同を生ずるの虞があります。 主権といふ語は、本来英語の「ソヴェレヌチー」といふ語を訳したので、「ソヴェ…

『憲法講話』1-1 国家の性質 6.国家は法人であり、統治権の主体である

国家は法人なり 法律上から見て、国家は一の法人であると申します。法人とは法律上の人といふことで、即ち法律上人と同一視せらるゝことを言ひ表はすのであります。前にも述べた通り、凡て団体は其れ自身に生存目的を有し活動力を有つて居るもので、此等の点…

『憲法講話』1-1 国家の性質 5.国家の特色②

最高権力を有せざるものは国家に非ず 国家が他の地域団体即ち地方団体の類と区別せらるゝ所以は専ら此の最高の権力を有するの点に在る。他の地域団体は何れも国家の権力の下に服し国家に依つて制限せられて居るもので何れも最高権を有するものではなく、独り…

『憲法講話』1-1 国家の性質 4.国家の特色①

国家が一の団体であることは右述ぶる通であるが、是だけでは未だ国家の性質を明にしたものと言ふことは出来ぬ。国家の性質を明にするには、尚国家が他の総ての団体と区別せらるべき特色を明にせねばならぬ。国家が他の団体と区別せらるべき特色は三の点を挙…

『憲法講話』1-1 国家の性質 3.国家は国民の団体である

第二種の見解-団体説 第二の見解は、第一種の見解とは反対に、国家を以て単に一人の持ち物とはなさず、国民全体の永久的の結合体であると見るの説であります、此傾向に属する学説もいろいろに分れて居つて、或は国家は有機体であると説明する者もあり、或は…

『憲法講話』1-1 国家の性質 2.君主説の本義とその誤謬

第一種の見解-君主説 第一に、国家を以て一人の持ち物の如くに考へ、即ち天下は一人の天下なりとする思想は、東洋に於ても西洋に於ても、種々の時代に屡見はれた思想であります。 此傾向に属する学説にもいろいろあつて、或は神授君権説ともいふべき説が有…

『憲法講話』1-1 国家の性質 1.国家は何であるか/国家の本質に付きての二種の見解

第一講 国家及政体 今日から約十回に亘つて、帝国憲法の大要に付いて、お話を致すこととなりましたのは、私の甚だ光栄とする所であります。 憲法といふのは、一口に申せば政体の法則と云つても宜い位で、其の規定の最も重なるものは国の政体に関する事柄であ…

『憲法講話』(大正7年版) 目次

憲法講話目次 第一講 国家及政体 一 国家の性質 二 政体の種類 第二講(上)帝国の政体 第二講(下)天皇(其の一) 一 天皇の国法上の地位 二 天皇の大権 三 天皇の不可侵権 四 皇位継承 第三講(上)天皇(其の二) 五 摂政 六 皇室法 第三講(下)国務大…

『憲法講話』(大正7年版) 序文

憲法講話の縮刷に付いて 久しく絶版となつて居た憲法講話が、今も需要者が絶えぬといふことで、書肆から切りにその再版を促がされ、因つて多少の改訂を加へて、縮刷して、再び之を公にすることとなつた。 憲法講話はもと明治四十四年に文部省の委嘱に依り中…